・マインドフルネスに興味がある
・瞑想を始めたけど続かない
・日々のQOL(クオリティオブライフ)を高めたい
・楽しみながら目標達成を目指したい!
・ワクワクできる日々を過ごしたい!
コーチングやセラピーの世界では、
自分の信念や思い込みなど無意識の領域にアプローチをし
それらを再度セットアップすることで、
芽生える感情そのものを変化させる…という手法がとられることがあります。
キャリアコーチである私も実施する方法なのですが、
これは正直かなりの時間と根気が必要となり、
目安として最低3ヶ月〜は時間が必要になります。
しかし”ACT”に関しては、今日この瞬間から活用し
効果を実感していただくことも可能です。
今回は人生をエンタメ化してしまうほどの効果がある
“ACT”についての基本を解説していきたいと思います!
“ACT”とは何か?
ACTとは医師で心理療法士であり、
ストレスマネージメントの権威でもあるラス・ハリスが著書で紹介している心理療法です。
参考文献:幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門
アクセプタンス&コミットメント・セラピーの略で”ACT”と言い、
思考と感情を受容し、自分の価値に繋がる効果的な行動を起こしていくこと
を目的としています。
ACTとは瞑想とマインドフルネスをベースにした認知行動療法の一種です。
カチカチの考えを柔軟にしていくことができます。
心はコントロールできないと認めることから始まる
メンタルでの悩みを抱える方は、
頑張って心をコントロールしようとしてしまいがちです。
しかしACTでは心のコントールを真っ向から否定します。
例えばこんなこと無いでしょうか?
仕事で失敗をしたとき
→「うわぁまたやってしまった…。自分はなんてダメなヤツなんだ」
→「ああ!またネガティブなことを考えてしまったぁ。」
→「失敗はポジティブに捉えようって決めてたのに…。
こんなとき売れっ子のAさんならすぐにポジティブに捉えて行動に移すんだろうな…。
はぁ自分はほんとにダメだなぁ…。」
いかがでしょうか?
何か嫌なことがあるたびに、自分のネガティブな考え方に嫌気が差して
自分はダメだなと思ってしまうことはありませんでしょうか?
ついには自分はネガティブ人間だという烙印を自分自身で押してしまってはいないでしょうか?
それ、寧ろ至極健全な状態です。
ネガティブな感情が生まれることは人間として正しい反応です。
そしてACTではそれら心のコントロールはできないが
その後の行動はコントロールできるというスタンスで進めていきます。
ACTは認知行動療法の中で最も実践的で
数分で習得できる科学的なテクニックであり、
鬱、落ち込み、不安神経症、心配性、慢性痛、各種中毒など
幅広く大きな効果が確認されています。
ACTの考え方
①ACTは心のコントロールを目指しません
感情は勝手に湧いてくるのでコントロールはできません。
コントロールしようとしちゃダメです!
まずは湧いてきたその”感情”を受け入れることからACTは始まります。
②感情ではなく行動のコントロールを目指します
心のアップダウンはあったとしても、
”行動”はコントロールすることを目指します。
③行動や成果にムラがあり、安定した成果を出したい人におススメです
④幸せになる方法ではなく、苦しいことに向き合う方法です
⑤現実逃避やマイナス行動を止める手段です
⑥人間は幸福の罠にはまりやすい
⑦幸せを求めるから不幸から逃れようとして不幸になる
⑧幸せは結果として手に入るもの
幸せは副産物です。
幸せは苦労を乗り越えたときに手に入るもの。
例えば人間関係で悩んでいるとします。
幸せを求め不幸から逃れる行動をとると…
「人間関係で傷ついた→人と距離を取る→人間関係永遠に良くならず不幸になる」
そもそも人間関係で悩むということは、人間関係に関心があるからこそです。
関心がなければ悩んだりはしません。
このように不幸や苦労に向き合わず、
逃れることは自ら幸福から遠ざかっているようなものです。
幸福のワナは進化が作った
なぜ幸福を求めることがダメのか。
幸福の罠とは一体何なのか。
私たちは幸福な状態が標準であると思い込んでいます。
幸福では無い状態は異常事態で、
幸福では無いのは自分に何かしらの欠陥があるからだ…と考えてしまっています。
ですがこれは間違いです。
メディアが発達した現代社会では、
四六時中自分に無いものの情報が飛び込んできます。
そうすると人と比較して無いものを求め、
持っているものに対しては失ったらどうしよう…
もっとこうなりたい!という理想とのGAPを埋めるために何が必要なのか
「手に入らなかったらどうしよう」
「失ったらどうしよう」
という恐怖のシナリオに付き纏われているのが現代社会を生きる私たちの特徴です。
・進化の過程で手に入れた能力
この「恐怖のシナリオ」ですが、実は人類が進化の過程で手に入れた能力なんです。
歴史を見ても恐怖に苛まれた人の方が長く生き残ることができてきました。
人類の歴史のそのほとんどが、狩猟採集民族としての歴史です。
その人類の歴史の大部分が
「あっちにいったらサーベルタイガーに食われるのでは?」
という恐怖と危機管理の連続であり、
楽観的で「なんとかなるでしょ!」みたいな漫画の主人公的な考え方の人類は
到底生き残ることはできず…
私たちの祖先は皆”ネガティブ”であり、
その歴史と進化の中で手に入れた人類の生存戦略が「恐怖のシナリオ」だったわけです。
つまり、人間はネガティブで不幸な状態がデフォルトです。
幸せは生きていく中のでオマケ程度のものです。
・成人の30%がなんらかの精神疾患を持っている
いつもうじうじ悩んでいる自分はおかしいんじゃないか?
ここまでの内容を読んでくださった皆様ならお分かりと思いますが、
寧ろ健全です。
10人に1人が毎日鬱になっています。
5人に1人は鬱になってしまいます。
2人に1人は自殺を考え2週間以上悩んだことがある…というデータもあります。
私も大学生の頃、社会との繋がりを絶った時期があったのですが、
あの時は生きる意味がわからなくなり死にたい気持ちになりました。
悩んだり、気分が沈んだりすることは全くもって異常なことではなく
寧ろ健全な状態です。
ACTで人間が持ちやすい誤解をぶち壊す!
さて、そんな「恐怖のシナリオ」なんていう
死神の呪いのようなものをかけられた私たちが
陥りやすい誤解について解説していきます。
・幸せで無いのは欠点があるからだ
→間違いです。
欠点を探すのは寧ろ健全
人はコミュニティの中でしか生きていけない社会的動物です。
人は村八分にならないために自分の欠点を探して補おうとするからこそ
人との繋がりを保ち、生きていくことができます。
欠点があることも、欠点を探すことも人として健全なプロセスであると言えます。
・良い人生にはネガティブな感情は不要
→大間違いです。
意味のある人生には必ず不安などの感情があります。
新しいことやるとき必ず不安になる
向上しようと思うと劣等感も感じる
→大事なのはネガティブな感情とどう向き合うかです。
これらの感情を抑え込もうとしてはいけません。
人生の8割はネガティブな感情です。
・思考と感情をコントロールしなければならない
→大嘘です!コントロール不可能です。
抑えようとすると寧ろ爆発してしまいます。
コントロールしようとする→できない→自分はダメだと責める→よりネガティブに…
ネガティブは波のように押しては寄せてきます。
筋トレ→短期的な筋肉痛やしんどさがあり乗り越えるからこそ成長する
経験回避はダメ!絶対ダメです!
回避の代償エクササイズ
最後はACT実践編です。
紙とペンを用意して実践してみましょう!
①自分が最も取り除きたい感情
ex,嫉妬、劣等感、自分だけがんばってる、恥ずかしさ
②-1その思考をコントロールしようとしたとして、
長期的に辛い感情を消し去れましたか?
→できていないことがわかると思います。
②-2そのために犠牲になったものは?
ex,時間、お金、健康、幸せ、人間関係
②-3 コントロールすることによって人生は豊になった?
→なっていないことがわかると思います。
良い行動でも動機がネガティブを避けるためであれば、それはオススメできません。
6つの行動原理
今回はACTの全貌についてまとめてきました。
次回からはさらに6つの行動原理についてさらに詳しく解説していきます。
①脱フュージョン
②観察する自己
人間は思考する自己と観察する自己の2種類いる
観察する自己は何も判断しない
だから楽に生きられる
③拡張
自分の中に居場所を作る
ネガティブな感情を置いておける場所を用意する
ネガティブな感情の待合室→置いておくと消えていく
④接続
今この瞬間と繋がる
⑤価値観の確認
⑥目標への行動
ACTをマスターすると
ゾンビ映画を普通に観れるように
出来事と感情を切り離して見る事ができ
人生をエンターテイメントにすることができます。
一緒にACTをマスターし、ワクワクできる日々を過ごしていきましょう!